マッチコラム
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明治天皇
明治天皇御真影:お雇い外国人のエドアルド・キヨッソーネが明治21(1888)年、宮内省の依頼で制作したコンテ画。
蘭渓集「天下一品」:蘭渓自作の「古屋所蔵」の文字入り木版手摺り台紙の上に貼り込んだ142枚の珍品、逸品票が拝める。大元帥商標
菊花紋章:皇室・皇族の菊紋は、十六八重表菊紋、通称「菊の御紋」と呼ばれる。現在も商標に使用することは禁じられている。大元帥票の真贋
蘭渓の赤黒の大元帥:燐票蒐集の元祖、貴族院議員根岸武香翁、日本燐枝錦集会の主宰者である福山碧翠翁から引き継いだ燐票大家の一人、古屋蘭渓が編纂した折本帳「天下一品」に張込まれている真正大元帥。しかし、下の赤の大元帥は版木、赤の刷り色とも違い、わざとラベルを剥がしたように汚して本物のように模造した贋物ではないかと推理する。
吉澤貞一の大判黒の大元帥:マッチ箱を一包みにした包装紙の上に張り込んだ大判ダース票のコピー資料。大判は非常に珍しいが、現物は氏が亡くなられてから所在不明のまま。
筆者の大判黒の大元帥:大判ダース票の存在記録は、故、吉澤貞一氏所蔵のコレクションでしか知ることが出来ない。サイズは、縦100×横70mm。
多面彫りされた版木:商標印刷初期の頃は、こうして同一柄を同じように彫り続けて刷り上げた後に裁断した。もしも、大元帥の版木が見つかるようなことがあれば燐趣界の一大発見である。
参考品 赤の大元帥:贋物ではなく、日本燐枝錦集会より会員へ参考品として無料進呈した模刻票。赤刷りの上に「参考品なのだから売ったりすることは厳しく禁ず」と墨刷りで注意を促している。
某N氏の並型黒の大元帥:愛燐家所蔵の一枚。真正と鑑定。
某S氏の並型黒の大元帥:愛燐家所蔵の一枚。真正と鑑定。
筆者の並型黒の大元帥:燐票帳に張り込まれた中に混じっていた一枚で真正と鑑定したがだいぶ汚れてしまっている。サイズは、縦53×横34mm。
参考文献:
1)『錦』 大正9年11月 創刊号~昭和12年4月 第83号:日本燐枝錦集会の総帥、福山碧翠と亡き後を引き継いだ古屋蘭渓による趣味の燐票雑誌。
2)『燐友』 大正6年2月 創刊号~大正9年8月 第42号:亀山閃放編集による燐寸商標蒐集の機関誌。
3)『愛燐界』 大正14年8月 創刊号~昭和11年5月 第100号:大阪燐枝交友会主任の中尾佐太郎による燐票趣味機関誌。
4)『日本燐友』 昭和10年4月 創刊号~昭和13年4月 第25号:日本燐友会の白井吉太郎による燐票趣味機関誌。
5)『マッチ時報』 昭和53年11月 創刊号~平成22年11月 第377号:協同組合日本マッチラテラル発行のマッチ業界情報紙。
6)『想燐』 昭和31年11月 第21号~平成9年8月 第294号:想燐友の会の東塚弘による月刊マッチ趣味誌。
7)『JMCCニュース』 平成7年8月 第2号~平成21年7月 第167号:ジャパン・マッチ・コレクターズ・クラブの事務局、佐藤克己によるマッチ同好会報紙。
8)『燐票カタログ』 昭和4年9月 第2号:大阪燐枝好友会の近藤無がく編纂による燐票評価型録。
9)『ラベル新聞』 平成2年1月15日発行:ラベル印刷関係の業界新聞。
10)『燐寸商標史』 大正3年5月発行:著者、喜多清三による燐票研究書。
11)『商標公報』 明治21年1月 第1号~明治36年12月 第360号:農商務省特許局発行の登録商標記録刊行誌。
12)『発禁マッチ大元帥』 昭和62年12月10日発行:著者、三野輪幸節による私家版豆本。






